【悪用厳禁】あなたの要求をいとも簡単に通す心理テクニック─あなたも騙されないように気をつけて
人に何かを頼む時、あなたは直球で頼みますか?それともオブラートに包んで遠回しに頼みますか?
難しい要求の場合、直球で勝負すると断られる可能性は高いですし、回りくどい言い方をすれば、あなたの意図が伝わらず、結局直球で頼むハメになります。
例えば奥さんに、新しいゲーム機が欲しいと頼む時、あなたならどう言ってお願いしますか?
直球勝負なら「PS4 Pro買ってもいい?」となるでしょうし、遠回しに言うなら「最近PS4 Proってゲーム機が出たらしいんやけど、メッチャスゴイい機能で、グラフィックもキレイで・・・。これがあったら家族みんな楽しめるやろなぁ・・・」っ的なことを言って、最終的に、奥さんに「だから何?」って言われて撃沈です。
家計に余裕があって、夫婦生活も円満で、上手く交渉できれば許可が貰えるかもしれませんが、これにはなかなかの交渉術が必要だと思います。
そこで今回は、人に頼みごとをする時に役立つ心理テクニックをご紹介します。もちろん営業にも使えるでしょうし、コピーにも使うことが出来ます。
理由を添える
人に頼みごとをする時に、理由を言うのと言わないのでは、結果に大きな違いが生まれます。凄く単純なことなので、「ホントかよ?」と思うかもしれませんが、これは紛れもなく事実です。
ある実験で、コピー機の前にいる人に「すみません・・・5枚だけなんですけど、急いでいるので先にコピーをとらせてくれませんか?」と小さなお願いをしたところ、94%の人が先にとらせてくれました。
次に理由を添えずにただ、「すみません・・・5枚だけなんですけど、先にコピーをとらせてくれませんか?」とお願いすると、60%の人しか承諾してくれませんでした。
これはただ単純に「急いでいる」と伝えたから94%の人が譲ってくれたんだと思うかもしれませんが、実は理由は何でも構わないのです。次に、「すみません・・・5枚だけなんですけど、コピーをとらないとならないので、先にコピーをとらせてくれませんか?」とお願いすると、93%の人が承諾してくれるという結果になりました。
「コピーをとらないとならないので」という当たり前の理由を添えただけでも効果があったんです。譲ってくれた人も「コピーをとらないとならない」ので並んでいたはずなのにです。
この実験から、人は『〇〇ので』という “ので” という言葉に反応して、承諾するのだとわかりました。
あなたも人に何かを頼む時は必ず理由を添えてお願いしましょう。理由はなんでもいいんです。添えるだけで効果を発揮してくれます。
コントラストの原理を使う
人は順番に提示されたものとの違いを実際より違ってみてしまう性質があります。
簡単に言うと、1番目に提示されたものが、2番目に提示されたものと、かなり異なっている場合、その違いを実際よりももっと違って認識して考えてしまう傾向があります。
最初に軽いものを持ち上げて、次に重たいものを持ち上げると、実際よりも重たく感じます。合コンで初めに魅力的な人と話したあとで、次に魅力的ではない人と話すと、その人は実際以上にみすぼらしく感じてしまいます。
このテクニックは車や家、スーツなど高価なものを売るときにも使えます。
例えば、車をノーマルの状態で買うと決心させておけば、次にナビを付けるのにオプションで20万円掛かると言われても、たった今、何百万円の車を買ったところですから、20万円が実際よりも安く感じてしまいます。
家も同じことです。後から提示されたものが、始めのものよりも格段に安い場合、感覚が麻痺して、実際より安く感じてしまいます。
スーツ屋の場合も、初めにスーツを売っておいて後からセーターなど小物を順番に見せていきます。
商品ラインナップやメニュー、カタログを見せる場合でも、初めに高いものを見せておいて、順に安くしていけば実際以上に安く感じてもらえます。
初めに1杯5000円のワインを見せられた後に、1500円のワインを見せられれば、凄く良心的な値段だと思ってしまいます。
まず始めに、オトリとして強力なものを見せておいて、その後に本当に欲しいものなど、頼みたいことを頼めば、実際よりも簡単な事だと感じてもらえて、承諾してくれるかもしれませんよ。
20万円の何かを見せておいて、5万円のゲーム機を見せれば「安い」と思ってもらえるかも・・・?
譲歩する
人は譲歩されると、自分も譲歩しないと悪いと感じてしまいます。これは返報性のルールです。
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まず交渉する相手に、拒絶されるであろう大きなお願いをします。そして相手が拒絶したらすかさず譲歩して、本当に叶えたい要求をします。すると相手は、譲歩してくれた(折れてくれた)と感じて、自分も譲歩しないと悪いと感じ、そこを妥協点と思い承諾してくれます。
コントラストの原理と似ていますが、こちらの方が強力です。
例えばあなたが20万円の新しいパソコンが欲しいとしましょう。奥さんに交渉する際、まず50万円のハイスペックモデルが欲しいとお願いします。あの手この手で交渉しましょう。ですが奥さんは認めません。そこであなたは本来の目的である20万円のパソコンで我慢すると言います。
すると奥さんは「あなたが引いてくれた(譲歩してくれた)」と感じ、自分も譲歩しないと悪いと思い始めます。すると本来なら拒絶するはずのパソコンを「20万円なら買ってもいいよ」と譲歩してくれる可能性が高まります。
さらにコントラストの原理で、50万の後の20万は安く感じてしまっていますので、なおさら承諾する可能性が高くなります。
お願いを1つするにしても、色々と心理テクニックがあって、これらを駆使すれば、あなたの要求はこれまで以上に通りやすくなるはずです。
でもこれらは強力なテクニックなので、悪用は厳禁です。あなた自身もこういったテクニックがあることを知って、詐欺などに引っかからないように気をつけてくださいね。
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